(14日、第107回全国高校野球選手権山梨大会2回戦 山梨学院11―1甲府東)

 「最後は投げる球がなかった」。甲府東の山下慶梧投手(3年)は試合後、つぶやいた。それでも、第1シードの強力打線に全力で立ち向かった。

 対策は練ってあった。外角低めのスライダーや内角のツーシームで追い詰めるはずだった。だが、制球が甘くなった。「相手は甘い球を見逃さず、長打で返してきた」。四回、自信を持って投げた内角高めの直球は、万場翔太選手に本塁打にされた。「本当に隙がなかった」

 開幕試合となった初戦は、韮崎を相手に6回を投げて失点ゼロと好投。打っても、三塁打で2打点を挙げる活躍をし、コールド勝ちに貢献した。芦沢方大監督は「投打でチームを引っ張ってきた。きょうもよく投げた」とねぎらった。

 実は、山梨学院中から甲府東に進学し、野球を続けてきた。試合後に流れた山梨学院の校歌を聞き、なんとなく懐かしくなった。「大学に進んでも中高での練習を思い出して野球を楽しみたい」(池田拓哉)