関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の基準になる今年1月1日時点の路線価を発表した。長野県内の標準宅地のうち、継続的に調べている5087地点の平均変動率は前年比0.6%増だった。32年ぶりに上昇に転じた前年に続き、今年もプラスを維持した。
県内10の税務署別の最高路線価をみると、長野、佐久、大町の3署が前年よりも上昇し、諏訪、飯田、伊那、木曽の4署が下落した。松本、上田、信濃中野の3署は前年と同じだった。
1平方メートルあたりの路線価が県内で最も高かったのは長野市南長野(長野駅前通り)で29万5千円だった。佐久署の最高路線価は、軽井沢町軽井沢(旧軽井沢銀座通り)の28万円。避暑地や移住先としての人気が根強く、管内の最高路線価が4年連続で上昇した。
大町署の最高路線価は白馬村北城(村道和田野線)の4万9千円。前年比の上昇率32.4%は2年連続で全国トップだった。インバウンド需要を背景にリゾート開発などが盛んな影響とみられる。
一方、木曽署の最高路線価は木曽町福島(本町通り)の2万3千円で5年連続の下落となった。前年比の下落率4.2%は全国7番目の大きさだった。県内で不動産価格の「二極化」が進んでいることを印象づける結果になった。
路線価は、実際の取引価格の8割程度が目安とされる。全国の路線価は国税庁のホームページで閲覧できる。(志村亮)