第107回全国高校野球選手権愛媛大会準決勝、済美2―0宇和島東

 「ベスト4はあくまで通過点。目標は甲子園」

 宇和島東のエース菊沢敬飛投手(3年)は、強い決意を胸に登板した。

 準々決勝までの3試合のうち初戦は完封、1試合は川口颯太投手(3年)とつないで完封、そして準々決勝の新田戦も完投した。

 あと2勝で甲子園というこの日、140キロを超える直球の速度を少しだけ抑え、チェンジアップなどを決め球にして打たせてとる投球を心がけると、見事にはまった。六回までに許した安打は2本で、6三振を奪った。

 済美との投手戦による均衡が破れたのは七回。2本の適時打を打たれ、2点を許した。それが勝敗を決める点になった。

 試合後、悔しそうに語った。「コンパクトで良い投球だとチームの仲間に声をかけられ、少し油断があったかもしれない。自分の甘さが出てしまった」

 長滝剛監督はこの日の戦いについて「打たれて負けたというよりは相手の打線がうまかったということ。ベスト4に進出し、3年生には、甲子園が狙えるチームになったことを褒めてやりたい」と話した。(水田道雄)