大丸松坂屋百貨店は17日、全国の松坂屋と大丸の15店舗で使用する包材(ショッピングバッグ、包装紙)のデザインを一新すると発表した。松坂屋のデザイン変更は23年ぶり。松坂屋の代名詞といえる、シンボルフラワー「カトレヤ」が包材から消えることになる。新たな包材には「百様図(ひゃくようず)」と名付けたデザインを採用する。30日から、松坂屋名古屋店など一部の売り場で配布を始める。
百貨店のイメージを表現した紙袋などは、「歩く広告塔」とされ、宣伝効果が高いことで知られる。特に、地域を代表する百貨店である、松坂屋をイメージしたカトレヤの包装紙には大きな価値があり、贈答品などで顧客から支持を得てきた。慣れ親しむデザインが一新されることを惜しむ顧客の声もありそうだ。
カトレヤといえば松坂屋、を連想する人が圧倒的に増えた要因の一つに、ラジオ番組の影響もあるだろう。CBCラジオで1965年にスタートしてから43年間、延べ1万5千回以上放送した松坂屋提供の音楽情報番組「カトレヤミュージック」は長年、地元のリスナーに親しまれた。南館「オルガン広場」での公開放送も人気だった。毎回、アナウンサーが読み上げる「生活と文化を結ぶ松坂屋」というフレーズは、リスナーの印象に強く残っている。
松坂屋の代名詞となっているカトレヤがシンボルフラワーに制定されたのは、1957年。それまでは、松坂屋と創業家の伊藤家にちなみ、松と藤の花をシンボルフラワーにしていたが、西洋的な感覚のものも必要と判断。洋ランの女王といわれるカトレヤ(花言葉は高貴など)をシンボルフラワーに制定した。
大丸は1717年、松坂屋は1611年に、それぞれ呉服屋、呉服小間物問屋として創業した。2007年に経営統合し、10年に大丸松坂屋百貨店として、全国の主要都市で百貨店を運営している。現在使われている松坂屋と大丸の包装紙などはそれぞれ異なるが、類似のデザインに変更し、一体感を出していく。大丸は35年ぶりに一新する。
新たな包材のモチーフに採用した「百様図」は、大丸松坂屋百貨店が大切にする、歴史や地域性などの「百様」という価値観を形にしたもの。松坂屋のシンボルである四角と青を重ねたものと、大丸の象徴である丸と緑のものをイメージした。二つの屋号の歴史を今後も受け継いでいくという思いを込めたとしている。