細田守監督の最新作のアニメ映画「果てしなきスカーレット」(11月21日公開)が、イタリアで開催される「第82回ベネチア国際映画祭」(現地時間8月27日〜9月6日)のアウト・オブ・コンペティション部門に選出された。22日に配給の東宝が発表。細田監督の作品は2010年にベルリン国際映画祭、21年にカンヌ国際映画祭に選出されており、これで世界三大国際映画祭すべてに選出されることになった。
今作は、父を殺され復讐(ふくしゅう)に失敗した主人公のスカーレット(芦田愛菜)が〝死者の国〟で再び宿敵に復讐を果たそうとする物語。スカーレットは、父親を目の前で殺されたことから復讐という狂気に取りつかれた中世の王女。現代の日本から〝死者の国〟に来た心優しい日本人看護師・聖(岡田将生)と旅をすることになる。
細田監督の作品がベネチア国際映画祭に選出されるのは初めて。アウト・オブ・コンペティション部門は、コンペティション部門に並ぶ公式部門の一つで、世界的な名匠や話題作、ハリウッドの大作映画などを特別上映する部門。細田監督はこれまで「サマーウォーズ」(10年)でベルリン国際映画祭、「竜とそばかすの姫」(21年)でカンヌ国際映画祭に作品が選出されており、これで世界三大国際映画祭〝制覇〟となった。
細田監督は「『果てしなきスカーレット』が栄えある第82回ベネチア国際映画祭に招待されたことを大変光栄に思います。いま。世界中で悲劇的な衝突を目の当たりにする中、愛を見つけ、共に手を取り合い生きることが、私たちの未来を肯定することにつながると信じて、この新しい作品を全世界の皆さんに届けたいと思っています」とコメントした。細田監督はイタリアに渡り、ベネチア国際映画祭に参加する予定。
また今作はカナダで開催される「第50回トロント国際映画祭」(現地時間9月4〜14日)のスペシャル・プレゼンテーション部門にも選出された。