福島第一原発の事故に伴う除染作業で出た土いわゆる“除染土”が再生利用に向けて首相官邸へ運び込まれました。
東京電力福島第一原発の事故に伴う除染作業で出た土、いわゆる“除染土。
大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設に保管されていて、その量は東京ドーム約11杯分にのぼり2045年3月までに県外で最終処分することが法律で定められています。
放射性物質の濃度が低い土は、道路の盛り土などで再生利用する方針ですが、その安全性を確認する実証事業を巡っては首都圏で住民らの反対もあり話は進んでおらず、全国的な理解醸成が課題となっています。
この除染土の再生利用が首相官邸の前庭で行われることが決まり、19日に首相官邸に運び込まれました。
計画では、60センチほどの高さの除染土に、20センチほどの通常の土をかぶせ使用します。
環境省によりますと、19日中間貯蔵施設から運び出された除染土は約2立方メートル、放射性物質濃度は1キログラム当たり6400ベクレルで、基準の8000ベクレルを下回っているということです。
実証事業をのぞく、除染土の正式な再生利用は、今回が初めてです。