世界的に人気のゲーム会社である任天堂。マリオやピカチュウなど、誰もが知るキャラクターを生み出してきた同社の株主総会は、ゲームファンにとって興味深いイベントです。 6月は多くの企業が株主総会を開催する時期です。任天堂の株主になって、実際に株主総会に参加してみたいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。 本記事では、任天堂の株主になるために必要な金額や、2025年6月に開催された株主総会の質疑応答内容について紹介します。
任天堂の株主になるにはいくら必要?
任天堂の株式は東京証券取引所プライム市場に上場されています。2025年7月16日の終値は1万2695円です。日本の株式市場では、通常100株単位(単元株)で取引されるため、任天堂の株主になるための最低投資金額は以下のとおりです。
1万2695円×100株=126万9500円
つまり、約127万円あれば任天堂の株主になることができます。ただし、株価は日々変動するため、実際に購入する際の金額は異なる可能性があります。また、証券会社への手数料も別途必要です。
配当利回りはどのくらい?
任天堂は安定的な配当を行っている企業として知られています。2024年3月期の年間配当金は1株あたり211円でした。また、2025年3月期の年間配当予想は129円となっています。仮に株価が1万2695円、予想配当金129円で計算した場合、配当利回りは以下のとおりです。
129円÷1万2695円×100=約1.0%
この配当利回りは、定期預金などと比較すると高い水準ですが、任天堂の配当方針は連結営業利益の33%を基準としているため、業績によって配当金額が変動することに注意が必要です。2024年3月期は211円でしたが、2025年3月期は129円と減配予想となっています。
株主総会に参加するメリット
任天堂の株主総会は、単なる形式的な会議ではありません。経営陣から直接、会社の方針や新製品の情報を聞くことができる貴重な機会です。また、ほかの株主からの質問を通じて、さまざまな視点から任天堂という企業を理解することができます。
株主総会に参加するためには、基準日(通常は3月31日)時点で株主名簿に記載されている必要があります。つまり、その時点で株式を保有していることが条件です。
2025年6月の株主総会での注目質疑応答
2025年6月27日に開催された第85期定時株主総会では、多くの興味深い質疑応答が行われました。その中から特に注目すべき内容をピックアップして紹介します。
高額なハードに対する懸念と質問
株主から「Nintendo Switch 2は過去のファミコン等に比べて高額なため、子どもが触れる機会が減るのでは」という懸念が示されました。
古川俊太郎社長は、価格設定は提供するゲーム体験に見合ったものであり、それだけの価値を感じてもらえる楽しい体験を提供することが重要だと回答。また、ゲーム機以外でも任天堂のキャラクターに触れる機会を作っており、最終的にゲーム機で遊んでもらうことを目指していると述べました。
ゲーム開発費の高騰への対策
「Nintendo Switch 2の性能向上により開発費が高騰し、ソフトの値上げやゲーム人口の減少につながるのでは」という懸念に対し、古川社長は開発の効率化が重要だと回答しました。
開発チームはさまざまな工夫を行い、必要な投資をしながら効率良く開発を進めているとのこと。また、短い開発期間でも「面白いアイデア」と思ってもらえるゲームの開発も可能であり、これが開発費高騰への対策の1つになると説明しました。
まとめ
任天堂の株主総会に参加するつまり、株主になるには2025年7月の株価水準では約127万円の投資が必要です。決して少ない金額ではありませんが、約1.0%の配当利回りに加えて、株主総会への参加権利を得られることは任天堂ファンにとっては魅力といえるのではないでしょうか。
2025年の株主総会では、生成AIの活用方法や新しいエンターテインメント領域への展開など、任天堂の将来を左右する重要なテーマについて活発な議論が行われました。これらの情報は、投資判断だけでなく、任天堂ファンにとっても興味深い内容です。
株式投資にはリスクもありますが、好きな企業の株主になることで、その企業をより深く理解し、応援することができます。
出典
任天堂 第85期定時株主総会質疑応答(要旨)
任天堂 配当(第2四半期末)および配当(期末)予想に関するお知らせ
執筆者 : 藤澤環奈
ファイナンシャルプランナー2級技能士・夫婦カウンセラー