人間がゴキブリを自由にコントロールして、スパイとして活用する。そんなSF映画のような話が、ドイツでいま現実になろうとしています。

↑スパイに向いている?(画像はImage FXで作成)

その開発を行うのは、ドイツの軍事技術関連企業のSWARMバイオタクティックス。同社では、ドローンや地上ロボットなどの従来のスパイシステムでは難しい区域でも潜入が可能な、まったく新しいカテゴリーのロボット技術の開発を行っています。

それが、ゴキブリを使ってスパイ活動させるシステム。彼らのシナリオでは、ゴキブリの脳に電気パルスを照射し、人間がゴキブリを遠隔操作します。ゴキブリの身体には、カメラなどの小型バックパックを装備させ、これによって人間が思うようにゴキブリを動かして、必要な情報を入手しようというのです。

同社によれば、ゴキブリは単体でコントロールすることも、群れで操作させることも可能とのこと。

ご存知のように、ゴキブリは狭い空間でも素早い動きで忍び込むのが得意。しかも、水さえあれば数週間は生き延びると言われ、生命力が強い生き物です。もしこのゴキブリスパイが実現すれば、恐ろしいスパイになるポテンシャルを秘めているでしょう。

生物にテクノロジーを組み込んだ「サイボーグ」の開発は、このドイツの事例だけではありません。

例えば、中国ではミツバチをスパイとして活用する研究を行っています。そのチームでは、ドイツのケースと同様に、ミツバチの脳に電子パルスを与えて、人間が操作できるようにしています。つい最近発表された科学誌の論文で、ミツバチは90%の精度で人間の指示に従ったことが発表されています。