Photo: ハナサキ

ランニング時に手元に時計があったなら、間違いなく走るモチベーションになります。

思ったよりも距離を走れたとか、その逆もしかり。意外と速いペースだったとか、心拍が安定していたとか。 ランニング向けのスマートウォッチにはほかにもいろんなデータを取れるので、後でそれを見るのもランニングの楽しみのひとつです。

SUUNTOの新作で1カ月ほど走ってみた

Image: SUUNTO 左上から時計回りにLime、All Black、Coral Orange、Frost Gray。各43,890円(税込)

20525年5月に発売されたSUUNTO(スント)の新作「SUUNTO RUN」。フィールドコンパスから始まったフィンランド発のSUUNTOは、来年で創業90年の歴史あるブランドです。個人的には、ほかのランニングウォッチとは違うデザインクがどんずばで、ランニングを始めてから10年以上愛用しています。

さて今回、「SUUNTO RUN」をお借りする機会がありましたので、使用感をお伝えします。

ランニング時、前作は装着している感がありましたが、SUUNTO RUNは軽過ぎて装着感がありません。

前作の「SUUNTO 9 PEAK」(生産終了)を6年ほど愛用していますが、着用感からまるで違いました。それもそのはず、ブランド史上最軽量のわずか36g。実際のところ、あまりにも軽過ぎて装着している感覚がありません。これまでランニング時に愛用してきたSUUNTO 9 PEAKが重いわけではありませんが、比較しても雲泥の差の装着感です。

ベルトに印字されたブランド名。スポーティな雰囲気を演出します。

また軽量のみならず、デフォルトで付属しているテキスタイル素材のストラップによって、手首のサイズを問わずジャストフィット。そのため、等間隔で穴が空いているバンドとは違い、ちょうどいい穴位置が見つからないことで起こる緩さや締め付け具合といった違和感は確実に回避できます。さらに厚さ11.5mmの薄型だから、より手首への一体感を高めてくれるんです。

フェイスの側面にもブランド名が印字。マットな質感も上品です。

そして、高まると言えばカラーも。4色展開ですが、ブラックやホワイトなど落ち着いたカラーのほかに、イエローやオレンジを用意。ビタミンカラーでモチベーションや気分を上げてくれると感じました。マットな質感も北欧ブランドらしく品格があって好印象です。

新機能の追加も。直感で選べる豊富なメニュー

メニュー選びは右側のリューズを回していくと全アクティビティが確認できます。

デザイン面のみならず、もちろん機能面もかなりの充実ぶり。まずは豊富なアクティビティメニュー。ランニングのほかにアクティビティは全34種類を用意。

たとえば「走る」アクティビティだけでもランニング、トラックランニング、マラソン、トレイルランニング、トレッドミルがあります。SUUNTO 9 PEAKにはトラックランニングやマラソンのメニューはありませんでした。

左から走行時間、走行距離、走行時の消費カロリーの設定画面。好みや気分に合わせて、その日のランニングのタスクを決めることができます。

またこれら5つのメニューには、フリートレーニングのほかに、合計時間や距離、カロリーを設定して、それを目標にして走ることもできますし、特筆すべきはSUUNTOならではのGhost Runnerというメニュー。

「Ghost Runner」メニューの設定画面。ひとりで走っていても、仮想鬼ごっこができるユニークなメニュー。

これは、ゴースト(幽霊)のペース設定をし、それよりも速く走れるかどうかを競うことができます。姿形は目に見えないウォッチの中にいる幽霊と、かけっこ勝負といったところでしょうか。ただ走っているよりも、ゲーム性があって楽しいです。

またマラソンメニューでは、フルマラソンやハーフマラソンを設定できる上、5kmや10kmも用意。トラックランニングではレーン(コース)ごとに400mトラックの1周の距離が変わるので(1レーンは400mですが、2レーンは407mなど外側になるほど距離が長くなります)、走るレーンの設定も可能です。

走るアクティビティのほかにもウォーキングやハイキング、サイクリング、スイミングなどもあり、メニューに該当するアクティビティがない場合は屋内または屋外でトレーニングを選べばOK。つまり、どんなアクティビティであっても、運動時間や消費カロリーなんかはきちんとデータで取れるというわけです。

メニューが豊富だと、選ぶのが大変そうに思われるかもしれませんが、実は迷うことなく直感で目的のメニューにアクセスできます。リューズ(中央のボタン)を押せば即メニューにアクセス。直近で選んだアクティビティは上位4つにリストアップされていますので、よく使うアクティビティなら秒で準備が整います。実際、日々のアクティビティってほぼ決まっているも同然ですから、よく使うアクティビティメニューが先頭の方に表示されるのは非常にありがたい。

そのほか従来のSUUNTOのモデルにもあったように、手首で心拍数を計測し、睡眠のトラッキング、リカバリー分析などが確認できるため、休息の質を高める材料にもなり得ます。本モデルに新たに追加された機能としては、呼吸アプリによるストレス管理や呼吸の整え方、心身のバランス維持に至るまでカバーしてくれるようになりました。ランニングに特化したウォッチながらも、しっかりとヘルスケアの部分もフォローしてくれますので、日常生活においてもコンディションの目安にも使えると思います。

細かくデータが取得でき、それをSUUNTOアプリで管理できます。

加えてSUUNTOアプリ(Androidはこちら)と連動すれば、より細かなデータも確認できます。歩幅や消費カロリー、平均接地時間、30秒、1分、3分、5分などに分けたペースのピーク、最大速度、運動強度など盛りだくさん。走った記録が溜まるほど、同じコースでも日によってコンディションが微妙に違うため、非常に興味深いデータが見れると思いますよ。

ズバ抜けた視認性

型落ちしたSUUNTO PEAK 9と比較しても参考にならないかもしれませんが、個人的には液晶がとても見やすく、輝度も申し分ありません。SUUNTO PEAK 9だと、省エネモードにしておらずとも、走っている時は見づらさを感じていましたが、本モデルは1.32インチAMOLEDディスプレイを採用したことで、昼夜問わず視認性を確保。

これまでは、いまどのくらいの距離を走ってる?どのくらいのペース?ところでいま何時だっけ?など、走っている最中に確認するのが大変でしたが、SUUNTO RUNは走りながらでもまったく問題なし。ランニング中に、しっかりと時計を見るという当たり前のアクションができることが、何よりもうれしかったです。また、超耐久性を誇るゴリラガラスを採用した頑丈な設計も安心です。

タイムモードで最大12日間、GPSセーブモードで40時間という充電パワーもお見事。ぼくの場合は、普段はApple Watchで、走る時はSUUNTO RUNといった感じで使い分けました。走る距離や時間にもよりますが、1週間ほど充電しなくてもしっかり稼働しました。ちなみに、22mm幅のストラップは、別売りでさまざまなデザインを用意していますので、普段使いも視野に入れるなら、ストラップを着せ替えるのも一手かもしれませんね。シリコンストラップ(ロゴ入り、ロゴなし)や布ストラップの用意があります。

とりあえず、長期で貸していただいたことですっかりSUUNTO RUNのファンに。ということで、実はAll Blackをポチっちゃいました。

Photo: ハナサキ

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