【四日市】昨年から大学設置に関する検討を進めてきた「四日市市大学基本計画策定委員会」(谷口研二委員長=大阪大学名誉教授)は23日、「JR四日市駅前への大学設置にかかる基本計画(案)」を策定し、谷口委員長が森智広市長に計画案を手渡した。計画案は、設置の目的▽JR四日市駅前に設置する大学▽施設計画▽資料編―で構成。事業費については、四日市看護医療大学が移転する場合と移転しない場合を並記しており、市は8月4日に開く議員説明会を経て、速やかに同大学との協議を終了し、計画を策定するとしている。

 また、同市と三重大学(津市)は昨年2月、「JR四日市駅前における三重大学新教育拠点の設置に向けた検討着手の連携協定」を締結し、令和13年度の開学を目指して素材、半導体、情報などを専門とする工学系大学設置の検討を進めてきたが、森市長、伊藤正明学長が同日、記者会見し、三重大学北勢サテライト(同市鵜の森、ユマニテクプラザ1階)の市地場産業振興センター(じばさん、同市安島)への今年9月の移転を発表。両者は移転を機に産学官連携を強化していく。

 市はじばさんの改修工事を行い、地域の産業振興の拠点として令和9年度のリニューアルオープンを予定している。三重大がJR四日市駅前に教育拠点を置くかどうかは未定。

 森市長は「公立大学の学生定員は1学年200人でいくという前提で、三重大進出の有無にかかわらずプロジェクトは進んでいく。サテライト移転でより近い距離で連携を図れることは歓迎すべきこと。連携を強化し、三重大が意思決定する段階で判断できる材料はしっかり準備していく」と述べた。