世界ボクシング協会(WBA)バンタム級の休養王者となっている堤聖也(29)=角海老宝石、九州学院高出=が20日、熊本市で熊本日日新聞の取材に、傷があった両目の角膜は「4月の手術後に良くなった。今月からはスパーリングができるようになった」と、回復は順調との認識を示した。

 ひどい時は目を開けられないほどだったが、手術した後は合宿レベルの激しいトレーニングを再開。試合前並みに体を追い込めたという。

 今後の試合は未定。30日にバンタム級正規王者アントニオ・バルガス(米国)と同級2位の比嘉大吾(志成)との世界戦があり、「勝った方と対戦する可能性が高い」とした上で、「攻めの部分をより洗練させて良い部分を突き詰め、僕のボクシングを極めたい」と準備に余念がない。

 バンタム級は、世界2団体統一王者の中谷潤人(M・T)ら世界ランク上位に日本人選手がひしめき合う。「良い時代に選手としてやれていてラッキー。こんなに注目されることはない」と受け止める。

 5月の世界戦後に右硬膜下血腫で開頭手術を受け、療養を続ける国際ボクシング連盟(IBF)世界ミニマム級前王者の重岡銀次朗(ワタナベ、開新高出)については「あいつは強い。信じている」とエールを送った。

 堤は20日に熊本市で開かれた母校九州学院高のボクシング部創部70周年祝賀会に出席した。(山本遼)