サッカーの第105回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK、長崎新聞社など共催)第5日は16日、長崎市のピーススタジアムなどで3回戦15試合が行われ、V・ファーレン長崎はJ1鹿島に1−2で惜敗した。
 直近のリーグ戦からV長崎は9人、鹿島は8人先発を入れ替えた一戦。V長崎は前半9分、相手クロスからチャブリッチに左足で蹴り込まれて先制された。中盤以降は押し気味に試合を進め、36分に笠柳が左サイドから切り込んで放ったシュートはポストの右にわずかに外れた。
 V長崎は後半頭から山﨑、マテウスジェズスを投入。後半8分に0−2とされたが、その5分後に笠柳の左クロスを山﨑が頭で合わせて1点を返した。その後は鹿島に好機を与えず、35分には山﨑がDF裏に抜け出してゴールに迫るなど好機をつくったが、同点ゴールは奪えずに逃げ切られた。
 アマチュアシードの東洋大は、J1新潟を2−1で破って16強に勝ち上がった。
 第6日は8月6日、各地で4回戦8試合を実施する。

◎高木監督「収穫はたくさんある」
 敗れたものの、J1鹿島と互角以上の戦いを演じたV・ファーレン長崎。高木監督は「準備したことはある程度できた。ファン、サポーターのおかげもあって、いいところを出せた。(収穫は)たくさんある」と敗戦の中にも手応えを感じた様子だった。
 格上相手に引かず、前線から圧力をかけて守った。先発をリーグ戦から9人入れ替えるなど普段とは違うメンバー構成だったが、互いに指示し合いながら連係を取った。高木監督も「1人のリーダーではなく、11人のリーダーが立つんだという話をした。本当にみんなが話しながらプレーしてくれた」とたたえた。
 山﨑の得点をアシストした笠柳が「J1の選手は少ないチャンスで決められる」と振り返ったように、好機の数では上回りながら最後の「質」が勝敗を分けた。ただ、エドゥアルドらがけがから復帰したことも含めて前向きな内容。ゴールを決めた山﨑も「誰が出てもいい競争ができている。次のリーグ戦につなげられると思う」と視線を上げていた。