県内に活動拠点を置く「匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)」とされるヤミ金グループが交流サイト(SNS)で客を募り、現金を貸し付け法定金利を超える不法な利息を得ていた事件で、県警は24日、海外に逃亡していた37歳の容疑者=住所、職業いずれも不詳=と30歳の容疑者=同=を出資法違反容疑で逮捕した。37歳の容疑者はグループのトップとされる。県警は捜査に支障があるとして、2人の認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、2021年12月〜22年2月と23年4月〜同8月に、他の者と共謀して、金銭の貸し付けに当たって県内在住の男女合計4人から法定を超える利息を受け取った疑い。

 県警によると、ヤミ金グループは県内を中心に違法な高金利で全国600人以上に総額約4億円を貸し付けていた。37歳の容疑者は逃亡先の東南アジアから、県内のメンバーに指示を送っていたとみられている。

 事件を巡って、これまでにメンバー9人が出資法違反容疑などで逮捕・起訴され、那覇地裁でいずれも有罪判決が下された。

 グループは、債務者に自動で架電を繰り返すプログラムを使って、「鬼電」と呼ばれる執拗(しつよう)な督促電話を掛けるなどの厳しい取り立てをして、債務者を追い込んだとされる。これまでの公判で、取り立てを受けて自殺した債務者がいることが明らかになっている。

 県警によると、「ベトナムで日本人が拘束された」という情報が外務省に入ったのを覚知し、捜査員を派遣。強制退去される2人の容疑者を乗せた航空機内で通常逮捕した。県警は、ナンバー2とされる男の行方も追っている。