前半戦が終了した米大リーグを巡り、今季から挑戦した日本人選手の中で存在感を示したのがオリオールズの菅野智之投手だ。35歳でのメジャー挑戦となったが、ここまで7勝をマークするなど先発ローテーションの一角を担っている。一方、ドジャースの佐々木朗希投手は右肩の故障による影響もあり、前半戦はわずか1勝止まり。ナショナルズの小笠原慎之介、フィリーズの青柳晃洋の両投手はメジャーの厚い壁に阻まれており、明暗が分かれている。

エース格としてフル回転

菅野は今季18試合に登板し、7勝5敗、防御率4・44で前半戦を終えた。米メディアのCBSスポーツ(電子版)は「大リーグでプレーすることが彼(菅野)の夢だった」とした上で、「菅野の投球は、今季のオリオールズの明るい材料となっている」と指摘した。

前半戦での菅野について大リーグ評論家の福島良一さんは「先発投手陣に負傷者が続出する中で、フル回転した」と評価。「疲労が出やすい後半戦での登板が今後の鍵を握る」と話す。

ア・リーグ東地区のオリオールズは前半戦で最下位と低迷。老舗雑誌のスポーツ・イラストレーテッド(電子版)は「トレード期限までに賢く行動し、チームの将来を確保しなければならない」として、チーム再建のために菅野がトレード要員となる可能性を指摘しており、今後の去就も注目されそうだ。

小笠原、青柳には厚い壁

各球団による争奪戦の末にドジャースに入団した佐々木は今季8試合に登板したものの、5月上旬から右肩の痛みを訴え、登板機会から離れている。前半戦は1勝1敗、防御率4・72と不完全燃焼の結果で折り返した。