大相撲名古屋場所3日目(15日、IGアリーナ)新入幕藤ノ川(20)がきびきびとした相撲で初勝利。すぱっともろ差しを果たして寄り立て、左をはずにあてがって英乃海(36)を押し出した。
勝負を決めた後は顔をゆがめる場面があり「立ち合いで首が入って、頭が真っ白になった。途中の記憶がない。これで負けたら最悪だった」と氷を首に当てながら話した。「時間がたてば大丈夫」と一息つき、治療へと向かった。
NHKでテレビ解説を務めた湊川親方(28)=元大関貴景勝は、「本当に立ち合いで首に衝撃が走ってると思うんですけども、まだ勝負がついていませんから、気合で戦ったあとに力が抜けたという感じですけども。やはり藤ノ川関という力士は小さい体ながら全力でやり切る、勝っても負けても目いっぱいやってるっていうのが魅力な力士ですので、これからけがに気をつけて一番一番、納得いった相撲を取りきってほしいですね」とエールを送っていた。
■湊川 貴信(みなとがわ・たかのぶ)本名・佐藤貴信。平成8(1996)年8月5日生まれ。兵庫県芦屋市出身。兵庫・私立仁川学院小―報徳学園中を経て、埼玉栄高3年の平成26年秋場所に貴乃花部屋から初土俵。29年初場所新入幕。31年初場所新関脇。同年春場所後に大関昇進。在位2場所で転落し、1場所で復帰。貴乃花親方(元横綱)の退職で30年10月に常盤山部屋移籍。幕内優勝4回、通算441勝254敗116休。