前述した通り、岡部は越谷サンシンサッカースポーツ少年団から柏U-15に加入。三協フロンテア柏スタジアムは、かつてプレーしたり、トップチームのボールボーイをしたりと、彼にとって馴染み深い場所であった。

「あれだけのサポーターが入って、大声援の日立台でプレーするのは初めてでした。ジュニアユースの時はスタンドでレイソルを応援する側だったのですが、敵としてでも、あの聞き覚えのある応援歌を耳にしながらプレーするのは、本当に何にも代え難いものでした」

 CBでスタメン出場し、前半は緊張も重なって相手のスピード、技術、フィジカルに戸惑った。しかし、0−0で試合を折り返すと、後半はゾーンに入った。

「後半からめちゃくちゃ楽しいと感じたんです。もちろんレイソルはすべてにおいてハイレベルでしたが、相手の動きが見えたし、自分の特長もどんどん出せるような感覚になっていきました」

 102分にFW垣田裕暉のシュート対応で足をつって交代を告げられたが、クレバーかつアクティブな守備でクリーンシートを保ったからこそ、延長後半の劇的な2ゴールに繋がった。

 その後もアミノバイタルカップで堅守を見せて、チームは総理大臣杯の出場権獲得と共に準優勝に輝いた。そして、約2週間の準備期間を経て、新潟戦を迎える。

「J1クラブと本気の勝負ができるチャンスは滅多にないので、本当に大切にしたいです。アルビレックスもサポーターが多いし、(東洋大の先輩である)稲村隼翔さん(セルティックに移籍)がいたチーム。まずスタメンで出るために努力をしたいし、ピッチに立つことができたら、いろんな人に自分のプレーを見てもらいたいです」