今週デビュー予定の注目新馬
出走する全馬が初出走となる「新馬戦」は、他のレースと予想のアプローチが全く異なる。調教で能力を見定める方法もあるが、実戦で同様の走りができるかは未知数だ。
従って、血統面からのアプローチが他のレースに比べて格段に有効となる。そこで今回は血統のなかでも“牝系”にフォーカスして、今週デビュー予定の2歳新馬のなかからピックアップした2頭を解説。デビュー戦の展望はもちろんのこと、血統から想定できる潜在能力や将来性についても深掘りしてみたい。
7/27(日)新潟3R・芝1600m ペルウィクトール
日本での牝祖は4代母プリンセスデリーデ。もともとヨーロッパで広がりを見せていたファミリーで、7代母Urshalimを根幹とする牝系からは英ダービーや英セントレジャーといった欧州主要レースの勝ち馬が出ている。芝適性が高く、スピードと瞬発力を持ちながら、パワーもありタフなのが特徴の牝系だ。
日本にファミリーが入ってきてからも、その特徴と活力は健在。ペルウィクトールの祖母にあたるブラックエンブレムは2008年秋華賞の勝ち馬で、母ウィクトーリアも現役時にフローラステークス勝ちを含む3勝を挙げている。
ウィクトーリアは繁殖としての能力も高く、ペルウィクトールの1つ上の兄であるウィクトルウェルスもここまで4戦3勝。春は大舞台に駒を進めることができなかったが、今後の飛躍が期待されている。
ペルウィクトールは父にサートゥルナーリアを迎え、2023年3月に誕生。サートゥルナーリアはスピードタイプを輩出できる血統構成で、祖母ブラックエンブレムの父ウォーエンブレムとは相性が良さそうだ。
今回はマイル戦でデビューを迎えるは、2000mあたりまでは走れそうな身体つき。スローになりがちな新馬戦でも勝ち負けはできるだろうが、能力全開はクラスが上がってハイペースになった時だろう。皐月賞やNHKマイルカップでも主役になれるだけの素質を持っている一頭だ。
<血統から想定できる潜在能力>
・馬場適性:芝
・距離適性:1600〜2000m/ベスト1800m
・能力:スピードS/瞬発力S/パワーS/持久力A
・同タイプ:ダノンプレミアム
・特徴:仕上がり早/圧倒的なスピード
※持久力=スピードの持続力