“バースデーアーチ”をささげる。日本ハムが敵地・ベルーナドームでの西武戦に臨む17日に、清宮幸太郎内野手(26)の父・克幸氏(57、日本ラグビー協会副会長)が58歳の誕生日を迎える。7月は2本塁打、10打点と上り調子の清宮幸は、父への最高のプレゼントとする一発を放つことを誓い、チームを連勝にも導く。

 克幸氏は、常に愛息のことを気にかけている。今季もエスコンフィールドに加え、楽天モバイルパークなどにも足を運び、試合を見守ってきた。いつも陰ながら背中を押してくれる父のために、渾身(こんしん)のアーチをかけるつもりだ。

 「(プレゼントは)何も考えていなかったですね。これから考えようかなと思うけど、それ(本塁打)が一番いいと思います」

 今年の父の誕生日に際し、イベントの予定はなく、過去のプレゼントも「あんまり覚えてないです」と照れ笑いを浮かべるが、唯一思い出せるプレゼントは、数年前に贈ったネクタイだ。幼少期は一緒に遊ぶ時間も多く、自宅近くの道端や公園だけにとどまらず、ラグビー場でも2人でグラブを手にしてキャッチボールをしたこともあった。ラグビー観戦にも連れて行ってくれ、たっぷりの愛情をかけてくれた父に感謝を伝えるためにも、バットを振る。

 通算71本塁打のうち54本塁打を7月以降に記録しており、夏にはめっぽう強い。今月は打率・298ながら、2本塁打、10打点と上昇の兆しを見せる。しかも、最近バースデーアーチを贈った“実績”もある。13日のオリックス戦で7号2ランを放ったが、この日は同い年の同期入団で、昨オフの現役ドラフトで巨人へ移籍した田中瑛の26歳の誕生日だった。普段から仲の良い戦友からは「(メッセージで)“バースデーアーチありがとう”って来ました」と笑顔を見せる。首位を快走するチームをさらに勢いづける一発で、最愛の父も喜ばせる。(田中 健人)