さきほど農林水産省が発表したコメの平均価格は8週連続で値下がりし、5キロ3589円でした。備蓄米効果で値下がりしていますが、早くも収穫が始まっている今年のコメの価格はどうなっていくのでしょうか?

高知県南国市。田んぼには早くも黄金色に実った稲穂がこうべを垂れていました。

記者
「こちらの農場では、新米の収穫が始まっています」

青空のもと次々と刈り取られる稲穂。収穫されていたのは高知県独自のブランド米、その名も「南国そだち」。全国的にも早い7月から収穫が始まる極早生品種です。

武市さんは代々、この地で米づくりを続けています。刈り取った後に行うのが…

土佐武市農場 武市竜人さん
「刈り取りした後に乾燥しまして、籾すりといって籾から玄米を離す作業を機械でしています」

刈り取った稲は機械にかけて玄米に。品質の良いコメと悪いコメを選別しますが、今年はある異変が起きていました。

土佐武市農場 武市竜人さん
「これが悪いコメ。白かったり、青かったり、虫が食べていたり」

原因は、6月からの記録的な猛暑。コメの生育は例年通り順調でしたが、猛暑によってコメの品質が下がったといいます。

今月刈り取られたコメは、早くも地元のスーパーなどで販売が始まっていますが…

土佐武市農場 武市竜人さん
「(検査を受けると)判を押してもらえる。これはマルが2個あるので2等です。等級は高い方がいいんですけど、なかなかそれが望めなくなってきて」

さらに…

土佐武市農場 武市竜人さん
「これから先、温度が上がれば上がるほど、収量が上がるということはなかなか難しいんじゃないかなと」

きょうも全国的に記録している「猛暑」が今後のコメ価格に影響すると武市さんはみています。

さきほど農林水産省が発表した、スーパーで販売されたコメ5キロの平均価格は前の週より13円下がって3589円でした。8週連続の値下がりで、3500円台になるのは、今年1月以来、およそ半年ぶりです。

しかし、コシヒカリなど銘柄米は前の週から比べても12円の値下がりで4261円。依然高止まりしたまま。

土佐武市農場 武市竜人さん
「概算金自体は去年より高知県でも上がっているので、このままいくとまた価格がなかなか下がらないんじゃないか」

JAがコメを集荷する際に農家に前払いする概算金。こちらの農家はJAを通して販売していませんが、「南国そだち」の今年の概算金は60キロで2万2700円。去年に比べて7200円高くなっていて、今後のコメの価格に影響が出てくると見ています。

土佐武市農場 武市竜人さん
「備蓄米の放出で平均価格が下がっているだけ。単一の銘柄米の価格は下がっていない」

備蓄米の放出という例外的な措置で下がっているコメ価格。しかし、今年収穫された「銘柄米」が消費者の納得できる価格まで下がるのかどうか、今後の焦点になります。