32チームによる1か月におよぶ大会期間と、これまでから大幅に規模が拡大されたクラブワールドカップは、欧州王者パリ・サンジェルマンを3-0で下したチェルシーが世界一の称号を手にして幕を閉じた。

【動画】パーマーの2G・1Aの活躍でチェルシーがパリSGに勝利!クラブW杯決勝ハイライト

 全てにおいて「拡大路線」を推し進めるジャンニ・インファンティーノFIFA(国際サッカー連盟)会長の肝いりで誕生したビッグイベントは、開幕前から批判的な意見が多く寄せられた。欧州勢からボイコットの可能性も示唆されたほどで、大会中にも様々な不満が現場サイドから噴出し、各国メディアからの厳しい指摘もあった。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、アメリカが来夏のワールドカップの会場でもあることを踏まえ、「クラブW杯から見えたW杯に向けての教訓」と題した記事を公開。今大会のダメ出しを行ない、「悪天候(猛暑、雷雨など)による混乱への対処」「テレビ視聴率より選手を優先した試合時間設定の必要性」「広大な国土であるがゆえの輸送トラブルの対処」「一部のスタジアムの不便なアクセスに対する改善」「芝の改善」「大会、その前後の過密日程による疲労への対処」といった課題を挙げた。
  英国の日刊紙『The Guardian』は「クラブW杯の勝者と敗者」を選定した。「勝者」のなかに大会MVPを受賞したチェルシーのコール・パーマーを選び、「決勝で2得点・1アシストを記録し、優勝に大きく貢献。背番号10を背負う若手イングランド代表は、その重圧をむしろ力に変えているように見える。多彩なポジションで活躍し、安定したパフォーマンスを披露」と賛辞を贈った。