港北区在住の坪田茂登子さんは、84歳の現役ダイバー。国内外の海を潜り、仲間たちと海中の景色を楽しんでいる。

ダイビングを始めたのは71歳の時。50歳くらいの頃、右膝が痛く、かがめない状態だったため病院へ。湿布を貼って過ごしていたが、70歳になり、医師から手術を提案された。股関節に人工関節を入れたことで足の調子が良くなり、「何かやってみよう」と前向きな気持ちに。

海好きの夫の影響で、海を覗くことが好きだった坪田さん。元々泳げなかったが、60歳の頃からプールに通い始めた。さらに、ダイビングが趣味の友人がおり、自身も始めてみることに。初めて港北区のダイビングショップ、ミッドサマーに訪れた時、自身よりも年上の人が2〜3人いた。それに安心感を覚えたことも後押しとなり、71歳でダイビングの世界に飛び込んだ。

海の中に入ると、「こんなにキレイなところがあるんだと思った」と目を輝かせる。スクールの仲間たちとは三浦半島や伊豆諸島、沖縄、ボホール島(フィリピン)など、さまざまな海を訪れた。潜るのは年に3〜4回、そのうち海外に行くのは1回程のペース。昨年1月に行ったプエルトガレラ(フィリピン)では、「海の中でも、リゾートでもゆったりした時間を過ごせた」と満足げな表情を見せ、「海の中は未知の世界が広がっていて、この年になっても潜って冒険することにワクワクする。それが生きる力になっている」とダイビングの魅力を語る。

「年齢だけで諦めて、元気なのに家の中にいるのはもったいない」と口にする一方、「過信しすぎないように」と体調管理には気を付ける。違和感を覚えた時には、無理せず潜らない選択を取る。講習会には毎年欠かさず参加し、水中でのサインの出し方などを復習。海を楽しむための準備は怠らない。

「楽しむことが一番。まずはやってみる」と行動することの大切さを語る坪田さん。ダイビングのほか、フラダンスやウクレレなど、さまざまなことに挑戦してきた。「気力が大事。外に出れば仲間がいる」と生き生きした表情。目指すは、100歳現役ダイバーだ。「この先も元気に大好きな海を感じたい」と、隔週、同スクールで筋トレを行い、充実した日々を送る。