米沢市は23日、山形新幹線つばさの新型車両「E8系」の故障トラブルに伴う大規模運休により、宿泊施設で予約の減少やキャンセルが発生しているとして、8月8日から市内施設で使える1枚2千円分の宿泊クーポンを発行すると発表した。利用も同日から。旅行予約サイト「じゃらん」を活用した電子クーポンで、市内への誘客を促し、通常運行再開後の経済活性化を狙う。

 発行と利用の期限は10月30日までだが、発行上限の600枚に達すれば終了する。予約額1万円以上で適用する。市によると、じゃらん登録の市内宿泊施設は46軒。苦境に陥っている施設への緊急支援策として用意し、事業費142万円は既決予算から捻出した。観光施設や飲食店への波及効果も期待している。

 じゃらんはリクルート(東京)が運営。トップページやプラン選択画面に情報を掲載し、クーポン一覧に米沢市特設ページを設け、クーポンを発行する。予約時に使うと、宿泊料金から2千円を割り引く。

 市の調査では、6月の故障発生以降、市内で少なくとも1400人超分の予約キャンセルが出た。つばさは8月から通常運行に戻るが、交通手段がないとの誤解を招く風評被害もあり、市観光課は「本市は山形県の南の玄関口で打撃は大きい。影響が長引いたため、クーポンで宿泊を伴う来訪を強く促したい」とする。

 宿泊者データは詳細に分析し、今後の誘客プロモーションに生かす。国や県、JR東日本も支援策を検討している。市議会産業建設常任委員会で報告した。