サッカーにおいて永遠のライバルであり、仲間でもある日本と韓国。1965年の日韓国交正常化から60年の節目に、サッカー日本代表の森保一(もりやす・はじめ)監督と韓国代表の洪明甫(ホン・ミョンボ)監督が記念対談を行った。
 日韓戦の歴史や2002年W杯日韓大会の思い出を振り返り、お互いの監督論を交わし、2026年W杯決勝での対戦を夢見る―。ともに56歳で現役時代に代表戦やJリーグのピッチでしのぎを削った2人が、日本と韓国の過去、現在、そして未来を語り合った。(聞き手・共同通信=岡田康幹)

▽日本は未来の準備をしていると感じた

 2人が初めて国を背負って対戦したのは1992年8月22日、北京で開催された国際大会ダイナスティカップだった。ともに譲らず、0―0で引き分けた。

 洪明甫監督(以下 洪明甫)「初めて森保さんと会った試合は1992年のダイナスティカップ。その後も韓国と日本が試合をする時に、日本代表にはこういう選手がいるという話の中で必ず森保さんの名前が出てきました。印象的なのはプレースタイル。献身的で誠実な姿、チームに尽くす姿がすごく印象に残っています」

 森保監督(以下 森保)「私にとって初めての日韓戦でした。長いサッカー史の中で自分がプレーできることがうれしかったし、(外から)見ていた世界なので不思議な感じがしました。やはり韓国は非常に強かった。ちょうど日本はJリーグができるということで盛り上がっていて、力をつけている中で熱い戦いができたという印象を持っています」