「マンガのアカデミー賞」とも呼ばれる米アイズナー賞の授賞式が、現地時間の25日にあり、「富江」シリーズや「うずまき」などで知られるホラーマンガ家の伊藤潤二さん(61)と「ゲゲゲの鬼太郎」で知られるマンガ家の水木しげるさん(1922〜2015)が「殿堂入り」を果たした。

 この賞は米国のマンガ家ウィル・アイズナー氏の名を冠した「ウィル・アイズナーコミック産業賞」。殿堂入りは「コミック業界に多大な貢献をしたこと」が条件で、審査員の選出や、コミック業界関係者の投票によって決まる。

 今回の殿堂入りは、審査員選出で水木さんら21人を選び、事前に公表していた。一方、伊藤さんは業界関係者の投票で選ばれ、この日の授賞式で発表された。

 水木さんは1922年、鳥取県境港市生まれ。戦時中に左腕を失い、58年に「ロケットマン」でデビュー。アイズナー賞では2012年に「総員玉砕せよ!」、15年に「コミック昭和史」で最優秀アジア作品賞に選ばれていた(いずれも英語版)。

 伊藤さんは1963年、岐阜県中津川市生まれ。歯科技工士として働きながら86年に少女向けホラー雑誌「月刊ハロウィン」の新人マンガ賞「楳図賞」に「富江」を応募し、佳作入選したことを機にデビューした。

 アイズナー賞では、2019年に「伊藤潤二傑作集10 フランケンシュタイン」で最優秀コミカライズ作品賞、21年に「地獄星レミナ」で最優秀アジア作品賞、同作と「伊藤潤二短編集 BEST OF BEST」で最優秀ライター/アーティスト、22年に「伊藤潤二傑作集4 死びとの恋わずらい」で最優秀アジア作品賞と、これまで4作品で部門賞に選ばれていた(いずれも英語版)。