新聞配達員がヒグマに襲われ死亡した北海道福島町の住宅地で18日未明、ヒグマ1頭がライフル銃で駆除された。人を襲った個体と同じかどうか調べる。

 18日午前1時55分頃、福島町月崎で「自宅の窓から外を見たらクマがいる」と住民から110番通報があった。

 松前署によると、警察官とハンター2人が捜索したところ、近くのやぶの中でクマ1頭が潜んでいるのを発見。周辺の道路を通行止めにした。

 銃猟が禁止されている住宅地。警察官が警察官職務執行法(警職法)に基づき、ハンターにクマの駆除を命令。午前3時半、猟銃で射殺した。2発発砲したという。

 クマは体長2メートル、体重218キロ、手の幅は15センチあった。8〜9歳のオスとみられる。

 月崎地区では今月上旬から住宅地にクマの出没が相次ぎ、ごみ置き場が荒らされるなどしていた。隣の三岳地区では12日午前2時半すぎ、住宅の玄関先で新聞配達中の男性(52)がクマに襲われて死亡した。

 その後も両地区ではクマの出没が続いており、目撃情報や足跡の大きさなどから、複数のクマがいるとみられている。道警や町は専門機関に依頼し、ヒグマのDNAを調べる。

 現在の鳥獣保護管理法では、住宅が集まる市街地や夜間の猟銃の使用を禁じている。警職法は緊急時に限り、警察官が危険防止のために必要な命令を出すことを認めている。(野田一郎)