(22日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会3回戦、西条10―2八幡浜工)
2年ぶりに単独チームで出場した八幡浜工は、第3シード西条を相手に力尽きた。目標の8強進出は届かなかったが、2安打を記録した下久保(したくぼ)龍人(りゅうと)主将(3年)は「単独で出場できてうれしかった。1年生には感謝しかない」と話した。
一昨年の秋から今春まで、部員は今の3年生4人だけだった。昨夏の大会は連合チームで出場。練習の準備も片付けも4人。それでも投げ出さなかった。「最後の夏は単独で出場」が願いだった。
今春、1年生が一挙に14人入部した。下久保選手ら3年生の弟たちも含まれる。悲願がかなった今大会。伊予農との2回戦では4点差から逆転した。
この日、四回に適時打を放った道岡大耀(たいよう)選手(3年)は「やりきったという気持ち。一生懸命やってきてよかった」と充実した表情で話した。
残る2人の3年生も心残りはない。渡辺一馬選手は「最後の大会でヒットを打てた。悔いないです」。御手洗琉桜(りお)選手は「とにかくやりきったって感じです」と涙を流して話した。(中川壮)