広島国税局は1日、県内の2025年の路線価を公表した。県内全体の平均は前年比2・3%増で、4年連続で上昇した。最高額は16年連続で広島市中区胡町の福屋八丁堀本店前で、1平方メートルあたり371万円(前年比3・9%増)と4年連続で上がった。

 路線価は、主要道路に面する土地の1平方㍍あたりの評価額で、相続税や贈与税を算定する際の基準となる。毎年1月1日時点で評価される。

 県内16税務署ごとの最高路線価は10署で上がり、広島南、福山、廿日市、海田の各税務署では前年比5%以上と大きく伸びた。吉田は横ばいから下落に転じ、竹原、庄原は昨年に続いて下がった。呉、三原、三次は横ばいだった。

 県不動産鑑定士協会の生瀬肇会長は「広島市中心部は再開発への期待感やホテル需要の高まりが、地価を押し上げている。尾道市は訪日観光客の増加、福山市はJR福山駅周辺のマンション立地、府中市は大型商業施設周辺の住宅需要が地価上昇の要因。今後、数年間はゆるやかな上昇傾向が続く可能性がある」と話した。(武田啓亮)