20日の住民投票で事業継続への賛成が多数となった豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)。愛知県の大村秀章知事は22日の会見で、事業推進への協力を表明した。一方、反対する市議らは今後も監視を続ける考えを示した。
大村知事は22日の定例会見で、「民意が示されたので、長坂(尚登)市長も結果に従って事業は再開され進んでいくものと思う」と述べ、歓迎する考えを示した。
大村知事は「これまで基本計画の策定や事業者の公募・選定などに、県としても5500万円の補助をしてきた。市民の民意を得て事業が再開するとなれば、県として引き続き円滑な推進に協力していきたい」と話した。
長坂市長が新アリーナ建設の中止方針を示していたことについて、大村知事は昨年11月の会見で「目的を達成しないなら、県の補助金は全額お返しいただく」などと発言していた。
また大村知事はアリーナ整備の意義についてIGアリーナ(名古屋市)の例を示しながら、「遠方から人を呼び集め、街ににぎわいや活力を与える役割を果たす」と説明した。(山田知英)
豊橋市に隣接する豊川市の竹本幸夫市長は22日の会見で、「アリーナは東三河の発展のために欠かせない施設。賛成派の方が住民投票に賛成してくれ、いい結果になった」と述べた。新アリーナの活用が見込まれているバスケットボールB1・三遠ネオフェニックスの運営会社・フェニックスの岡村秀一郎社長は21日、「意思を示されたすべてのみなさまに敬意を表し、深く感謝申し上げる。改めて『クラブの果たすべき役割とは何か』を見つめてまいります」とコメントを発表した。
一方、計画に反対する豊橋市議会の「新しい豊橋」など3会派8市議は22日、連名で声明を発表。「条例にのっとり、結果は尊重すべきもの」としながらも「8万人以上の市民が反対の意思を示した。市は十分に説明責任を果たすことが求められている」として、「今後も市民と連携しながら、しっかり監視の役割を果たしていく」とした。(山田知英、戸村登)