2023年6月の豪雨で被災し運休している山陰線の一部区間について、JR西日本は24日、今年10月をめどに営業運転を再開する、と発表した。JR西は当初、「26年3月中」との見通しを示していたが、今年2月に「25年12月中」に変更。その後も復旧工事が順調に進んでいることから、今回、さらに前倒しすることを表明した。

 JR西によると、復旧工事の進捗(しんちょく)率は8割で、残る復旧作業は天候による影響が小さいという。同社の飯田稔督・広島支社長はこの日の会見で、県内で来年10月から始まるJR西などの観光宣伝事業「山口デスティネーションキャンペーン(DC)」に先立ち、今年10月からプレキャンペーンがあることに触れて「できればそれまでにはなんとか(再開を)目指したい」と話した。

 山陰線は、豪雨後に運休した長門市―小串間(50.6キロ)のうち、人丸―滝部間(21.6キロ)の運休が続いている。復旧費用は十数億円を見込んでいる。

 一方、同じ豪雨で被災した美祢線の復旧は、沿線自治体やJR西などでつくる同線の利用促進協議会が、鉄道の復旧を断念し、バス高速輸送システム(BRT)を軸に復旧案の検討を進めている。(池田良)