第63回岩手県吹奏楽コンクール(岩手県吹奏楽連盟、朝日新聞社など主催)が26日、盛岡市のトーサイクラシックホール岩手で始まった。この日は中学生の部に27団体が出場し、多彩な音色を響かせた。審査の結果、北陵、上野、岩手大教育学部付属、滝沢南の4校が東北大会に出場する県代表に選ばれた。

 27日には小学生小編成の部、大学の部、高校の部がある。同日には第44回全日本小学生バンドフェスティバルステージ部門岩手県大会が併せて開かれる。

 26日の成績は次の通り(出演順。☆は県代表、◎は金賞、○は銀賞、無印は銅賞)。

【中学校の部】遠野東、○江刺一、福岡、○胆沢、○見前、○西根、◎紫波一、◎厨川、☆◎北陵、☆◎上野、大船渡市立一、下小路、○矢巾北、◎北上、◎矢巾、○長内、滝沢二、☆◎岩手大教育学部付属、○仙北、◎飯豊・和賀東合同、○山田、○黒石野、飯岡、水沢南、☆◎滝沢南、○桜町、○大宮

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 伝統の黒い上下の衣装に、胸にはゴールドとピンクのポケットチーフがのぞく。どこか厳かな雰囲気すら感じさせる、北上市立上野中が堂々とした演奏を披露し、東北大会出場を決めた。

 自由曲は「ディヴェルティメント」(O.ヴェースピ作曲)を選んだ。「楽しくさせる、愉快にさせる、自分たちに合った曲」と柿沢香織顧問。その言葉通り、明るく、軽快なハーモニーを会場に響かせた。

 上野中は全国でも知られる実力校。2021年から3年連続で全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞したが、24年は銀賞だった。部長で3年の高橋柊平さんは「とても悔しくて、あの日のことを色々あるたびに思い出す。先輩たちの思いも背負って、みんなで練習しています」。1年生には上級生が丁寧に指導し、一体感を高めているという。

 この日の演奏を終え、高橋さんは「明るくはじけるのは得意だけど、ゆっくりだったり音が小さくなったりする場面はまだ難しい」。課題を胸に、さらなる高みをめざしていく。