1985年8月に起きた日航ジャンボ機墜落事故の犠牲者520人を追悼する施設「慰霊の園」(群馬県上野村楢原)で26日、日本航空グループの整備士らが慰霊塔などを清掃した。事故は来月12日で発生から40年になる。
2011年から毎年実施しており、15回目の今年は新入社員16人をはじめ、全国から約100人が集まった。作業着姿の社員たちは雑草を取ったり、犠牲者の名前が刻まれた石碑をスポンジで磨いたりした。慰霊の塔は高所作業車から高圧洗浄機で水を吹きつけ、こびりついたコケをきれいに落とした。
一緒に汗を流したJALエンジニアリングの浜本隆士社長は「整備の原点は御巣鷹の尾根にある。月日の経過に関係なく、安全に対する気持ちは変わらない。風化させないという思いを一層強く感じた」と話した。また、機長らが基準を超えるアルコールを摂取していた問題などを踏まえ、「部門に関係なく、社員が我がこととしてとらえ、安全について社内で熟成していくことが大切」とした。
来月から本格的に整備士として従事する松本潤さん(22)は「お客さまの命を預かる立場として、一つひとつの業務に忠実に取り組みたい」と誓った。(小幡淳一)