須山建設グループで高齢者施設の管理会社バイ・スティックケアサービス(浜松市中央区)は、運営する施設で夏休み期間の児童の預かりやコーヒー店の出店などの事業に乗り出した。地域と施設の垣根を下げて、開かれた介護施設を目指す。
 運営するサービス付き高齢者向け住宅「おおるり富塚」(同区)で22日、市の事業に応募して、日中に地域の小学生を預かる取り組みを始めた。1カ月間、高校生らが支援員として児童らの見守りや勉強を無料でサポートする。初日は募集定員いっぱいとなる10人の子どもが、入居者の高齢者と交流する場面もあった。
 2月には、地域のコーヒー豆店と協力して、同施設のフリースペースにコーヒー店を出店した。週に一度、定期的に開催し、職員や近所の高齢者が働くなど、新たなやりがいづくりに一役買っている。施設内では、今春からギャラリー展示や駄菓子を販売するコーナーなども設け、施設と地域の垣根を低くしようと努力を重ねる。
 2011年に設立した同社は浜松、磐田市内で高齢者向け住宅8施設を運営し、うちおおるり富塚を含む2施設が直営。塚本絢也統括マネージャーは「地域の交流、文化の拠点にしたい。介護施設を地域にとけ込む場所に変える」と話す。