20日投開票の参院選千葉選挙区(改選数3)には、過去最多の16人が立候補しており、戦後一度も全国平均を上回ったことがない千葉県の投票率にも注目が集まる。前回2022年は50・01%で、年代別では20代が30%台にとどまった。今回は投開票日が異例の3連休の中日にあたることから、県選挙管理委員会は、期日前投票の積極活用などを呼びかけ、投票率向上を目指している。

 県選管によると、22年の投票率は、前々回の19年を4・73ポイント上回る50・01%。全国平均の52・05%を下回り、全国28位だった。年代別の投票率(抽出調査)は25〜29歳が37・52%で最も低く、20〜24歳も39・11%と伸び悩んだ。

 こうした状況を踏まえ、県選管は若者の投票率アップに躍起だ。X(旧ツイッター)やインスタグラムをはじめとする複数のSNSに広告を出している。今回はファミリー層が多く訪れる回転ずし店の待合室にも広告を流す。

 3月の知事選から、子連れで投票に来た親子にカード型の投票記念証を配布している。幼少時に親と一緒に投票所に来た若者の投票率が高い傾向にあることから、記念になるものを渡すことで、選挙を身近に感じてもらう狙い。好評だったことから、今回は約2万枚増となる8万枚用意した。

 ほかにも、幅広い世代が観戦するスポーツと連携した啓発事業も実施。5日には、フットサルのバルドラール浦安の試合前に、会場でグッズを配布し、啓発動画を放映した。夏の時期を意識し、啓発メッセージをプリントした扇子も配った。

 投開票日の20日は3連休の中日。県選管によると、全県を舞台にした選挙で連休中日が投票日となったことは一度もないという。担当者は「20日に予定のある人は期日前投票を」と力を込めた。

 参院選の県内過去最低の投票率は1995年の37・88%。

(粕谷健翔)