浜松市天竜区二俣町鹿島にある金貸(かねかし)水神社の伝説を研究してきた浜名高(浜名区西美薗)史学部が絵本「鹿島の金貸水神伝説」を完成させた。周辺の主要書店で販売中。物語の英訳や研究論文の要約も載せ、子どもも大人も、地域外の人も学べるよう工夫している。
水神社は、祈った人の病気を借金の担保名目で取り上げてくれると信じられ、借用証文を供える習慣がある。部員の生徒たちは伝説の起源を解明しようと2022年から研究を進め、コンテストで論文を発表した。無尽講による金銭貸借の習慣や、天竜川の川仕事で病気が流行したことが影響した可能性を指摘する。
絵本では、伝説に基づきせりふを大幅にふくらませ、現代につながる場面も設けた。3年の内田八重さん(17)は「自分の描いた絵が本になったことにまだ実感が湧かない。身近なところに面白い伝説があることを多くの人に知ってほしい」と願う。
32ページ、定価千円。谷島屋本沢合店、天竜谷島屋などで販売している。 (野瀬井寛)