東映最後の直営館・丸の内TOEIの最終上映グランドフィナーレが27日、東京・銀座の同劇場で行われ、女優吉永小百合(80)がサプライズで登壇。この日で65年の歴史に幕を下ろす劇場に、吉永は思い出を振り返りつつ「この劇場はなくなりますが、また違う形で映画館に足をお運びいただいて映画を見ていただきたい」と呼びかけた。

 昭和・平成・令和の3つの時代にわたり、銀座で映画文化発展の中核を担ってきた丸の内TOEIがついに閉館の日を迎えた。同劇場は1960年9月20日に開業し、これまで吉永や石原裕次郎さん、高倉健さんら数々のスターの作品を上映してきたが、東映本社の入る東映会館の再開発に伴い、27日での閉館が決定。

 今年3〜5月に「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」と題して昭和の名作42本を上映。さらに65年の歴史を振り返る「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクトを5月9日から展開し、100作以上の名作を上映。「あぶない刑事」の舘ひろし(75)と柴田恭兵(73)、「相棒」の水谷豊(73)と寺脇康文(63)が上映後に舞台あいさつするなどグランドフィナーレに向けてイベントを彩ってきた。

 劇場の外には最後を惜しむ大勢の映画ファンが詰め、場内に入ってからも舞台あいさつが始まる前に館内をカメラやスマートフォンで撮影。この日は高倉さんと吉永が初共演した「動乱」(1980年)の上映が行われ、上映前に吉東映の吉村文雄社長が登壇しあいさつ。さらにサプライズで吉永も駆けつけ客席から大きな拍手を受けた。