◇26日 大相撲名古屋場所 14日目(IGアリーナ)

 4敗で14日目を迎えた新横綱大の里(二所ノ関)の今場所の優勝の可能性が、完全消滅した。

 トップの安青錦(安治川)は3敗目を喫したが、同じ2敗で並走していた幕内琴勝峰(佐渡ケ嶽)が関脇霧島(音羽山)を破り、追いつけない状況となった。

 3場所連続制覇と、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)とその師匠・先代鳴戸親方(元横綱隆の里)との3代連続新横綱Vを目指した大の里は、3連勝スタートも4日目に王鵬に敗れて初めて金星を配給。その後も出足を止められると引く悪癖が出て、8日目の伯桜鵬、10日目の玉鷲といずれも平幕に屈して金星を与えていた。豊昇龍が休場したことで、5日目から一人横綱となっていた。

 13日目は琴勝峰に敗れ、4個目の金星配給は昭和以降の新横綱で単独最多となっていた。取組後の支度部屋では「残り2日間、しっかり集中して頑張ります。しっかり2日間、気持ちを整えて頑張ります」と切り替えを強調していたが、千秋楽を待たずに賜杯争いから脱落した。

 ◆大の里泰輝(おおのさと・だいき) 本名は中村泰輝。2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身の24歳。津幡小1年で「津幡町少年相撲教室」で相撲を始めた。中1から新潟へ相撲留学し、糸魚川市能生中、海洋高(同市)を経て日体大でアマチュア13冠の実績を残し、二所ノ関部屋に入門した。しこ名は昭和初期に活躍して「相撲の神様」の異名を取った元大関大ノ里にちなんでいる。昨年夏場所で幕下10枚目付け出しで初土俵。同年秋場所で新十両。昨年初場所で新入幕。夏場所で新小結、名古屋場所で新関脇。秋場所後に大関に昇進した。優勝4回。三賞は殊勲賞、技能賞、敢闘賞のいずれも2回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、191キロ。