◇27日 大相撲名古屋場所千秋楽(IGアリーナ)

 東前頭15枚目・琴勝峰(佐渡ケ嶽)が、本割で幕内安青錦を破って13勝2敗で初優勝を果たした。平幕Vは昨年春場所、新入幕だった尊富士以来。佐渡ケ嶽部屋の力士の優勝は昨年九州場所の大関琴桜以来となった。

 25歳の大器が、一気に賜杯をつかんだ。新入幕から3場所連続で勝ち越し、2021年初場所で自己最高位の東前頭3枚目まで番付を上げるも以降はけがに泣いてきたが、今場所は勢いが止まらなかった。序盤に2連敗したが、6日目から連勝街道を突っ走って13日目には横綱戦に抜てきされて新横綱大の里を撃破し、初金星もつかんだ。

 23年初場所には大関貴景勝との相星決戦で敗れたが、千秋楽まで優勝争いも経験。単独トップに立った14日目の取組後も、優勝争いについて問われて「落ち着いている。どちらにしても、最後まで優勝争いをすることは分かっていた。特に意識することはなかった」と淡々。最後までポーカーフェースを貫いてIGアリーナの初代優勝力士となった。

 ◆琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり) 本名は手計富士紀。1999年8月26日生まれ、千葉県柏市出身の25歳。地元の「柏相撲少年団」で相撲を始め、埼玉栄高から佐渡ケ嶽部屋に入門して2017年九州場所で初土俵。19年同場所で新十両。20年名古屋場所で新入幕。殊勲賞1回、敢闘賞2回。金星1個。得意は右四つ、寄り。190センチ、167キロ。今場所新入幕の琴栄峰は弟。