「ミスタータイガース」と呼ばれ、現在は阪神OB会長を務める掛布雅之氏(70)が23日、オールスター第1戦の試合前に行われた野球殿堂入り表彰式に参加した。ファンから盛大な拍手をもらってあいさつし、藤川監督から花束を受け取った。

 「私がああいう舞台に上がっていくのが、おこがましい気持ちの方が強い。ただ、今日も阪神ファンの方たちが温かい拍手を送ってくれた。そういう意味で、ファンの方たちに85年の日本一と、今日ちょっとだけ恩返しができたかなと」

 本塁打王に3回、ベストナインに7回輝き、球団初の日本一に導いた4番は、通算349本塁打、1019打点を記録した。「僕の背中を押してくれたのはファンの方たちの声。そういう声援がなければ左のバッターボックス、三塁のポジションには就けないくらい、甲子園は怖い場所ですから」とこれまでを振り返ってほほ笑んだ。

 「ヤジを飛ばされたことも多々ありますけど、そういうのも声援に思えるくらい、ファンの気持ちを感じた。幸せな15年の野球生活だったと思います」と虎党への感謝を口にした。