スペシャルティコーヒーと出会い、「これなら、一日のどんな時間でも楽しみ方がある」と気づいた有元葉子さん。熱気が冷めていく夏の夕刻は、赤ワインのように果実味が潜むレッドゲイシャ豆ナチュラルをぬるめにいれ、ワイングラスで味わう。
話題のスペシャルティコーヒーとは……生産国や品種はもちろん、どの地域のどんな農場でどんなふうに栽培されて、どのような性質をもつ豆なのかが、しっかりと管理された高品質なコーヒー豆のこと。
【EVENING】夏の夕刻にはワイングラスでコーヒーを。チョコレート、干しあんず、くるみは、私の好きなコーヒーのおつまみ

昼間の熱気がスーッと冷めていく夕方には、香味の高い豆を使って、ぬるめにいれたコーヒーをロブマイヤーのワイングラス“バレリーナ”でゆっくりと味わう。「香りがふわっとふくらんで夢見心地になります。製菓用のベルギー製クーベルチュールチョコレート、『小島屋』の干しあんず(ルビー)、名産地である長野・雷電のくるみをつまみながら」。
コーヒーは…
コロンビア「エデン農園」のレッドゲイシャ豆ナチュラル。赤ワインのようにバラやすみれ、ぶどうのような果実味が潜む豆は余韻のある後味で、夏の夜の時間を楽しむのにうってつけ。グラスはふだんは有元さんがワイン用として使っているもの。手吹きガラスならではの薄づくりでしなやかな口当たりで、世界中のワインラバーに愛されている。耐熱性はないので、より香りを楽しむために、少し冷ましてからグラスへ入れて。
「ブルゴーニュバレリーナグラス」各¥28,600/ロシナンテ(ロブマイヤー)
Profile

有元葉子
ありもと ようこ●料理研究家。本誌『有元葉子が、今月食べたい味 この2皿さえあれば。』は’12年から続く人気連載。今年1月から始まった〈有元葉子公式YouTubeチャンネル〉も評判を呼んでいる。

アートディレクター 藤村雅史
ふじむら まさし●本誌をはじめファッション誌を多く手がける、藤村雅史デザイン事務所代表。今年5月、長野県・原村に『SUNNY COFFEE&ROASTERS』をオープン。
撮影/ローラン麻奈 取材・原文/白江亜古 コーヒー監修/藤村雅史 ※エクラ2025年7・8月合併号掲載