時代に先駆けた店をつくり東京チャイニーズを革新してきた西岡英俊シェフが「集大成」と語る『シノワズリ372』。お酒メインで楽しみたい人にも、しっかり食事派にも、フレキシブルに対応してくれるのが嬉しい。
『シノワズリ372』
中華の世界を革新しつづけた敏腕シェフの集大成
バルスタイルの「チャイニーズタパス レンゲ」、イノベーティブレストラン「レンゲ エキュリオシティ」と、時代に先駆けた店をつくり東京チャイニーズを革新してきた西岡英俊シェフ。自ら「集大成」と語る店は、築地の路地裏に立つ民家を改装した8席のみのカウンターレストランだ。コーラルピンクの壁からポピーの装飾、建具の細かな意匠まで、空間は「シノワズリ」のイメージそのもの。
ひと口のおかゆから始まるコースは、選べる主菜までの6皿。食事やデザートはお好みで追加するかたちで、お酒メインで楽しみたい人にも、しっかり食事派にも、フレキシブルに対応してくれる。センスと手間ひまが惜しみなく注がれた前菜の盛り合わせは華やかで楽しく、果物や発酵調味料、自家製塩蔵品のアクセントに、ワインが欲しくなる。シンプルな炒飯やラーメンは贅沢な食材使いと技がしっかり感じられるもの。「コースを柱に、アレンジを楽しんでいただきたい」と、西岡シェフ。店名の「372」には「みんなに」の意味が隠れ、フラットなカウンターは、ゲストとの距離がこれまでで一番近い。

前菜の盛り合わせ。手前から時計回りに、たけのこの醤油煮、上海蟹(かに)のクリームコロッケ、よだれ鶏、叉焼など。真ん中のレンゲには白トリュフオイルで香りづけしたそら豆(内容は時季替わり)。熟成シェリーと合わせる提案も

春巻き。北海道産羊肉とサワークリームと合わせてムサカ風に。前菜の盛り合わせと春巻きはともに¥15,000〜(サ別)のコースより

ラーメン。スープは鶏、アサリ、ふぐ、上海蟹コンソメ、金華ハムコンソメを用意。¥1,200〜

ワインはブルゴーニュ主体

杏仁豆腐 赤糖¥600

希少なカラーのコルビュジエのチェアが並ぶ

西岡シェフ。ボーダーTシャツがトレードマーク

Data
東京都中央区築地2の8の2
☎︎03・6260・4841
18:00〜
不定休
コース¥15,000〜(サ別、追加アラカルトあり)
予約はテーブルチェック
www.tablecheck.com/ja/chinoiserie372/reserve/から
photography:Jun Hasegawa text:Kei Sasaki ※エクラ2025年7・8月合併号掲載