シャープはAQUOSシリーズのスマートフォン「AQUOS R10」を7月10日以降に順次発売する予定です。
AQUOS R10は想定価格が10万円程度のハイエンドモデルという位置付け。ユーザー視点では比較的手を伸ばしやすいAQUOSとなりそうです。今夏の主力モデルの1つとして注目しておきましょう。
ここでは「AQUOS R10」について、3つのポイントをチェックしていきます。
●ディスプレイ輝度がUP
AQUOS Rシリーズがディスプレイに力を入れているのは、今に始まったことではありませんが、本モデルでもこだわりが詰まったポイントのひとつです。
基本仕様として、約6.5インチのフルHD+ディスプレイを備えており、リフレッシュレートが1〜240Hzの可変駆動になっているのは前モデルと同様です。一方で、ピーク輝度は従来の2000ニトから3000ニトへと向上しています。
HDR非対応コンテンツをより鮮やかに表示する「バーチャルHDR」機能も、従来機種と同様に備えているので、屋外での動画視聴はもちろん、動画コンテンツの視聴においてコントラストのはっきりとした映像を楽しみやすくなっていると言えそうです。
前モデルと同様、大型のボックススピーカーによるステレオサウンドも楽しめます。この内蔵スピーカーは新開発されていて、音圧や低音域などが改良されていることも見逃せません。立体音響の「Dolby Atmos」にも対応しており、コンテンツ視聴時のサウンドにも臨場感が期待できそうです。
●カメラはスペクトルセンサーを新搭載
背面カメラは、従来通りライカが監修しています。カメラ構成は、メインカメラ(約5030万画素、1/1.55インチのイメージセンサー、F値1.9)+超広角カメラ(約5030万画素、F値2.2、画角122度)の2眼です。
センサーが新しくなってはいるようですが、スペックの数値を見る限りでは、R9からそこまで大きく変わった部分はなさそうです。
注目したいのは、R10で新搭載された「14chスペクトルセンサー」という聞き慣れないセンサーです。
「スペクトルセンサー」とは光の波長ごとの強さを測定できるセンサーのこと。測定できる波長が14chある――すなわち14の区分で環境光の色味をチェックできるという仕組みのようです。
つまり、このセンサーが周囲の光を測定することで、色味を見たままに近い自然な仕上がりに整えるのに一役買っているということでしょう。
ユーザーの撮影体験を変えるポイントとしては、AIを活用した新機能もあります。
RAWデータを超える情報量で画像を処理するとうたう合成技術によって、ズームやナイトモードでの撮影におけるディティールや階調が向上しているとのことです。
また料理や紙の資料などをスマホで撮影するときに、入り込んでしまった手元の影を消せる便利な機能も搭載しています。
●通話のメモは生成AIにおまかせ
最近は生成AIを活用した機能が市場のトピックですが、AQUOSもAI関連の機能が進化しています。
AQUOSシリーズでは、以前から通話に関してAIが内容を要約してくれる「伝言アシスタント」機能や「迷惑電話ブロック機能」などがありましたが、これがさらに強化されています。
新たに通話の際に会話中のキーワードを自動で抽出してメモにリスト化して残すことが可能になったほか、キーワードとして「日時」が出た場合にカレンダーへの追加が自動で提案される機能が追加されました。
精度に問題が無ければ非常に便利な新機能となりそうです。
こうしてチェックしてみると、AQUOS R10は前モデルからの大幅な変化こそないものの、各所で堅実な進化を遂げている一台だと感じます。特に、カメラのスペクトルセンサーの恩恵がどのくらいあるのか気になるところです。