【会社概要】
Laboro.AI<5586>は、オーダーメイドAI開発および導入支援を中核とする企業である。創業者である椎橋氏はボストン・コンサルティング・グループでデジタル戦略およびアナリティクス領域を専門に多数の国内外プロジェクトに従事。その後、東京大学松尾研究室にて、産学連携の仕組み構築、データサイエンス教育、企業との連携プロジェクトの設計・運営に携わると同時に、東大発AIスタートアップの創業に参画。こうしたアカデミアと実務の橋渡し経験を通じて、AIを活用した企業変革支援の可能性を確信し、2016年に同社を創業、代表取締役CEOに就任した。いわゆる松尾研スタートアップ企業ではなく、様々な分野から多彩な才能を結集して創業した企業である。
同社は、AIとビジネスコンサルティングに精通した「ソリューションデザイナ」を中核としたチーム編成により、クライアント企業のビジネス課題に応じたAIシステムを一から設計・導入するスタイルを採用し、業界横断的なAI導入を支援している。当社が中核としているソリューションは「バリューアップ型AIテーマ」を対象とする「カスタムAI」である。他の多くのAIサービスが業務効率の改善や生産性の向上を目的としているのに対し、同社は新製品・サービスの開発や顧客起点の新たな価値創出(=バリューアップ)に焦点を当てたサービスに特化している点が特徴である。こうした独自のアプローチにより、同社は国内を代表する大企業を顧客に持ち、豊富な実績を積み重ねてきた。このような実績と将来の成長への期待が高く評価され、2023年7月には東京証券取引所グロース市場に上場している。直近では、2025年4月にグラフデータベース技術に強みを持つ愛知県豊田市のCAGLA社を買収し、完全子会社化。生成AIやLLMと親和性の高いグラフ技術を取り込み、新たなAIソリューション創出を狙っている。また、自動車産業など製造業に強い顧客基盤との相乗効果を狙う姿勢を明示している。
【2025年9月期第2四半期決算概要と業績予想】
2025年9月期第2四半期の累計業績は、売上高979百万円(前期比37.3%増)、営業利益205百万円(同3.05倍)、経常利益206百万円(同3.08倍)、純利益142百万円(同3.14倍)となった。堅調なAI投資需要を背景に新規顧客の獲得が6件にのぼり、既存顧客からの継続案件や新テーマでの受注も進捗。これにより売上高は大きく伸長した。一方で人件費や採用投資の費用に当たる販売費および一般管理費が473百万円(同16.7%増)にとどまり、利益率が改善した。財務面では総資産2,845百万円、純資産2,538百万円であり、自己資本比率は89.2%と引き続き高水準を維持している。なお、CAGLA社の連結決算へ移行に伴う業績予想の更新は今後開示予定としている。
【成長戦略】
同社は、成長戦略を三つのステップに分けて段階的に描いている。まず第一段階は、2024年9月期までを対象とした「成長の土台づくり」である。ここでは、既存顧客との関係を深めながら新規顧客の獲得を進め、顧客基盤の拡大を図るとともに、既存テーマの展開と新規テーマの開発によって、提供するソリューションの幅を広げてきた。次に、2025年9月期以降を第二段階と位置づけ、「カスタムAI事業の確立」と「非連続な成長機会の探索」に取り組むフェーズとしている。この段階では、単なる延長線上の成長にとどまらず、新たな市場や領域への挑戦も視野に入れている。そして第三段階では、具体的な時期は未定としながらも、「さらなる拡大に向けた新たな事業モデルの構築」を目指す長期的な成長ビジョンを掲げている。これらの戦略を実現する基盤として、ソリューションデザイナや機械学習エンジニアの採用を強化するとともに、人材が継続的に、かつ高いエンゲージメントで働ける職場環境の整備を進めている。
数あるAIソリューション企業のなかでも、同社は「バリューアップ型ソリューション」に特化している点で際立っている。今後、バリューアップ型AI市場の拡大が見込まれるなか、同社はその分野を牽引するフロントランナーとして、一層の注目を集めるだろう。
Laboro.AI:バリューアップ型AIで際立つ存在感、次なる非連続成長へ
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