近年は輸出型のJリーグ…「大谷」効果は及ばない?
日本サッカー界に「大谷翔平」は出現するだろうか? よくある問いだけれども、ではサッカー界に「大谷」が出てきたとしたら、日本サッカーはどうなるのだろうか。
サッカー界の大谷が現れたとすれば、世界最高クラスの選手ということになる。実際に大谷がそうであるように、その活躍は連日ニュースになるだろうし、CMでもその姿を見ない日はないという感じになるだろう。
そんな選手がいれば、日本代表はワールドカップ(W杯)優勝を狙えるかもしれない。4年に1回しか機会がないので、その時の状況にもよるだろうが、世界一の選手がいるなら世界一になるチャンスはありそうである。
だが「大谷」効果が及ぶのは、その程度ではないだろうか。W杯で優勝できそうな日本代表を持てるのだからそれで十分ではあるけれども、Jリーグにはあまり関係がなさそうである。
大谷クラスでなくても、優秀な日本人選手は軒並み欧州でプレーしている。この時期は毎年人材が欧州へ流出していて、今やJリーグは輸出型リーグとなった。そして輸出型リーグは輸入型リーグを上回ることがない。サッカー界に「大谷」が出現しても、彼がプレーするのはレアル・マドリードやマンチェスター・シティであってJリーグのクラブでないのは確実だ。
Jリーグで少し活躍すれば、すぐに欧州移籍が決まるようになった。それどころか才能さえあれば実績すら問われなくなっている。ブラジルやアルゼンチンがすでにそうなっているように、日本もベストな選手は欧州にいるので、クラブレベルで欧州勢を上回ることは至難と言える。さらに厄介なことに、アジアには欧州を上回る輸入型リーグが存在している。サウジアラビアだ。