経営陣に顔が売れ、出世に繋がることも
労働組合の“執行委員”と聞くと、しかも女性となると何やら“ゲバルト・ローザ”のような戦う女性をイメージしてしまうが……。
TBSの田村真子アナウンサー(29)が同局の労働組合の執行委員に選ばれたという。
田村アナは’18年にTBSに入社、父親が自民党の田村憲久衆議院議員(60)であることはよく知られた話。現在は朝の情報番組『ラヴィット!』のMCを務めるほか、ラジオも加えるとレギュラー番組4本を抱える同局の人気アナだ。
そもそも労組の執行委員の役割とは、
「一般的には、労組の運営の中心となるのは執行部の『三役』と呼ばれている委員長、副委員長、書記長です。その補佐役として、書記次長や会計管理をする財政部長、その他の執行委員がいます。三役以外の役職は会社によって、役名や役割が異なりますが、そんなに大きな違いはありません。執行委員は各支部(担当部署)の代表ということで、組合員の声を聞いて会社に伝える立場です」
と、大手メーカー社員は説明する。
具体的には、組合の方針や計画の実施、組合活動の調整、組合員とのコミュニケーション、外部との交渉などを行うという。
執行委員になるとなにかメリットはあるのか。前出のメーカー社員によれば
「基本的には給料の他に手当がもらえます。また会社の経営に関して評価しなければいけない立場なので、必然的に経営に関する知識を得ることができます。他には人事などの内部情報に詳しくなれたり、社員が多い大企業では、経営陣に顔を売れて、出世につながることもあります」
となにかとメリットもあるという。
労働組合幹部になると、意外なデメリットも
TBSのような放送局なら経営陣は女子アナ全員の顔を知っているだろうから、いまさら顔を売る必要はないと思うが、最大のメリットと思われる“出世”についてはどうなのだろうか。
「TBSの労組は他に比べて強いといわれていましたが、今はそんなことはないですね。昔はたしかに組合の委員長は出世しやすいという傾向はありました。委員長だけですよ。執行役員になったからといって出世することはないでしょう。リスクもないですけど。会社人生とは無関係です」(元TBS社員)
そのうえ、執行役員になると通常業務の他に組合の活動もしなければならなくなるので、プライベートな時間が少なくなるデメリットもあるという。そのため、若い女性は組合の執行委員など引き受けたがらないものなので、田村アナが執行委員になったことに驚いている局員は多いようだ。
社内では、
「組合でバリバリ活動し、労働問題に取り組んだ実績を残し、退社後は厚生労働大臣と働き方改革担当大臣を兼任したお父さんと同じ政治家を目指そうとしているのでは」
なんて邪推する声も聞かれる。だが、彼女が出演する番組のディレクターによれば、
「田村アナはサバサバした性格で、気を使わずに話ができる人です。女子アナというと、愛嬌があってニコニコしているかわいい子が人気になりがちですが、彼女はちょっと違うタイプです。責任感が強く、見た目も凛としていますが、実は涙もろく、感動するシーンなどではすぐに涙してしまう。そんなギャップがウケて、スタッフには人気があります。後輩たちからも慕われていますし、仕事仲間を大事にしますので、純粋に同僚や後輩たちのために労働環境をより良くしたいという気持ちがあるんじゃないでしょうか」
と執行委員を引き受けた理由は彼女の純粋な気持ちからだとする。
女子アナとしての人気が高く、仲間からの信頼も厚い田村アナ。執行委員としてどんな活躍を見せてくれるのか、期待したい。