筆者の体験談です。
母は現在、施設で暮らしています。
病院や外出の付き添いは私の役目。毎回「これが食べたい」 とリクエストされますが、それがまさかの “探すのが大変なピンポイントな品” ばかりで──。

母との外出は、ちょっとしたイベント

母はひとり暮らしが難しくなり、現在は施設で生活しています。
病院の付き添いや外出は家族の担当となり、私がその役目を担ってきました。

施設ではお餅など、のどに詰まりやすい食品は禁止されているため、母にとって外出は「好きなものを食べられる特別な時間」 になっているようです。
そのため、いつも少し食事を控えめにして、私の迎えを楽しみに待ってくれています。

「次はこれが食べたい」と言われたものは…

出かけるたび、母は食べたいものをリクエストしてきます。
ところが、その内容はなかなか一筋縄ではいきません。

「羊羹巻き」「昔どこかで食べた珍しいお菓子」「子どもの頃に食べた懐かしいパン」
など、どれもピンポイントで、探すのに一苦労。
スーパーを何軒もはしごしたり、デパートに足を運んだり。
時にはメーカーに問い合わせて「もう作っていません」 と言われたこともあります。

エスカレートするお願いに、モヤモヤも

そんな現状とは裏腹に、母のリクエストは、次から次へと続いていきました。
正直「これはどこまでやってくれるか試してるの?」 と思うこともあります。

もちろん、一緒に外出できているのはありがたいことです。
あと何回母のリクエストにこたえることができるのかと思うと、“なんとしても調達したい” と私も必死になります。
でも、手に入らない物を探して奔走する日々に、少しずつモヤモヤが募っていったのです。