Image: gguy / Shutterstock.com
勢いよく発車したのはいいけれど…。
OpenAI向けに新たなAIインフラストラクチャーをアメリカ国内で構築する「スターゲイト・プロジェクト」。ソフトバンクも投資する同社ですが、実は発表からわずか半年で行き詰まりなんじゃないかという噂が流れています。
今年1月にホワイトハウスで発表されたOpenAI、オラクル、ソフトバンクなどによる共同プロジェクトですが、Wall Street Journal紙が、匿名の関係者の談話として、「スターゲイト・プロジェクトは新しいデータセンターに関する契約をいまだに1つも締結できておらず、短期的な目標の縮小も検討している」と報道しています。
大企業共同の一大プロジェクト
スターゲイト・プロジェクトは1月21日に発表され、今後4年間で5000億ドル(約78兆円)が投じられる予定ですが、OpenAIは当時Xに「1,000億ドル(約15兆円)は今すぐ投入される」と投稿していました。ちなみにプロジェクト名「スターゲイト」は、1994年公開のSF映画にちなんでいます。
Announcing The Stargate Project
The Stargate Project is a new company which intends to invest $500 billion over the next four years building new AI infrastructure for OpenAI in the United States. We will begin deploying $100 billion immediately. This infrastructure will secure…
また、Xでの投稿には、スターゲイト・プロジェクトによって「アメリカのAI分野でのリーダーシップを確立し、数十万の雇用を創出し、世界全体に大きな経済的利益をもたらす」と書かれていました。
この会社の初期出資者にはOpenAI、オラクル、ソフトバンク、MGXが含まれ、ソフトバンクとOpenAIが中心的な役割を担うとされていました。資金面はソフトバンクが、運営面はOpenAIが担当。ソフトバンクのCEO 孫正義氏は、スターゲイトの会長も務めています。
ホワイトハウスでの発表会にはトランプ大統領も登壇。OpenAIのCEO サム・アルトマン氏や、オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏らと共に、スターゲイトの重要性を訴えていました。
エリソン氏とアルトマン氏は、スターゲイト・プロジェクトの仕事は、がんなどの病気の治療法につながる可能性があると述べ、アルトマン氏は「この時代で最も重要なプロジェクトになるだろう」と断言しました。
イーロンの登場
しかし、発表直後からアルトマン氏の長年のライバル、イーロン・マスク氏が疑念を表明。
OpenAIのXでの投稿に対し、「彼らは実際にはその資金を持っていない。ソフトバンクが確保している資金は100億ドルにも満たない。確かな筋からの情報だ」と直リプしています。
SoftBank has well under $10B secured. I have that on good authority.
— Elon Musk (@elonmusk) January 22, 2025Wall Street Journal紙によれば、OpenAIとソフトバンクの間ではデータセンターの建設地など、重要な課題について合意が取れていないとのこと。グループは今年末までにオハイオ州に小規模なデータセンター1カ所を建設することを目指していると、関係者は述べています。
こんな感じでスターゲイトの出だしが遅れているにもかかわらず、アルトマン氏は独自にデータセンター拡大を進めようとしています。
アルトマンは独自のデータセンターも建設
OpenAIはソフトバンクとは別に、アメリカ国内で追加4.5ギガワット分の「Stargate」ブランドのデータセンター開発に向けたパートナーシップを発表。
Wall Street Journal紙によると、アルトマン氏は「Stargate」の名称を、ソフトバンクとの正式な提携外のデータセンター計画にも使用しており、テキサス州アビリーンやデントンの施設もその一例とされています。これらの施設はソフトバンクの資金では建設されていません。でも「Stargate」の商標はソフトバンクが保有しているんです。
OpenAIはオラクルとの新たな提携発表に際し、「ソフトバンクとは、建設地の選定を迅速に進めると同時に、高度なAIを支える次世代型データセンターの在り方を再構築しようとしている」と説明しています。
EcoFlow Portable Power Station RIVER 3 ポータブル電源 26,544円 Amazonで見るPR