「ちょっと動くと汗が出る」「急に汗が止まらない」「異常なほどの汗が出る」場合、さまざまな原因が考えられます。更年期症状(更年期障害)、自律神経失調症、多汗症など大量の発汗の原因について詳しく解説します。

ちょっと動くと汗が出るのはなぜ?考えられる病気・原因

ちょっと動くと汗が出るのはなぜ?考えられる病気・原因

汗をかくのは自然なことですが「異常な発汗がある」「尋常じゃない汗をかく」「少しの運動で大量の汗をかく」といった場合は、何か病気が影響している可能性が考えられます。

ここからは、ちょっと動くと汗が出る場合に考えられる病気や原因について見ていきましょう。

基礎代謝の向上(冬など寒い季節の場合)

寒い冬は体温を維持するため、体内で熱の産生が活発になり、基礎代謝が高まります。これによって、普段なら汗をかかないような少しの動きでも汗が出ることがあります。

また、暖房の効いた室内で厚着をしていると、さらに汗をかきやすくなることも。このような基礎代謝の向上による発汗であれば、問題はないと考えられるでしょう。

ただし、服装を薄着しても発汗が続く場合は、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、病気の影響も考えられるため一度病院を受診すると安心です。

暖房の効き過ぎた室内で「冬でも汗をかく」、冷房の効き過ぎた室内で「夏でも汗をかかない」といった状況が続くと、汗のコントロールがうまくできなくなり体の不調につながる可能性もあるため、季節に合わせて適切な服装や空調に調節しましょう。

更年期の影響

「若い頃は汗かきじゃなかったのに、50代になって汗をかくようになった」という場合、更年期の影響が考えられます。

更年期には、女性ホルモンの急激な減少が起こりますが、これによって「ホットフラッシュ」という更年期症状が見られることがあります。

ホットフラッシュは更年期に起こるのぼせやほてり、発汗といった症状のことで、汗が止まらなくなったり、急に顔が熱くなったりする症状が起こります。

ホットフラッシュは、時間帯や季節に関係なく、いきなり症状が起こることが特徴です。ストレスや緊張があるときには、症状が悪化することも少なくありません。

急に体が熱くなった後で急激に冷える「冷えのぼせ」となることもあります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こる、さまざまな体の不調のことです。

ちょっと動いただけで汗をかくといった症状の他にも、以下のような症状が見られます。

  • めまい、耳鳴り
  • 立ちくらみ
  • 息苦しさ、胸が締め付けられる感じがある
  • 夏でも手足か冷えることがある
  • 手足がだるい
  • 気候の変化に問わくなる
  • 寝ても寝ても眠い
  • 手足や体がだるい
  • 胃腸の調子が悪い など

高齢になると、自律神経の調整能力が低下することで発汗が起こることもありますが、他の病気が隠れていることもあるため、汗が気になる場合は放置せず病院を受診しましょう。

多汗症

「ちょっと動くと汗が出るようになった」「季節に関係なく大量の汗をかく」「手汗で紙が濡れてしまい困っている」といった症状が見られる場合、多汗症の可能性があります。

多汗症については、次からの項目で詳しく見ていきましょう。