女優・吉永小百合(80)が27日、65年の歴史に幕を閉じる東京・丸の内TOEIの最終上映グランドフィナーレ最終日にサプライズで駆けつけ、登壇した。

 吉永の登場に客席はどよめいた。ラストに上映されたのは高倉健さん(2014年没、享年83)と吉永が初共演でダブル主演した「動乱」(1980年、森谷司郎監督)。昭和の五・一五事件から二・二六事件までの激動の時代を背景に、寡黙な青年将校とその妻を描いた大作。

 高倉さんとの共演を通じ、引退も頭をよぎる状態にあった吉永に再び映画女優として生きる決意をさせた作品だ。「『動乱』は大切な作品。丸の内TOEIでは20本の作品で舞台あいさつしました。こんな形でごあいさつできるのは恵まれていると思う。でも映画館がなくなってしまうことはつらい」と吐露。一方で2021年、コロナ禍での公開となった「いのちの停車場」のときには「『スクリーンから飛沫(ひまつ)は飛びません』と過激なことを申し上げたこともありました」と振り返った。

【吉永小百合の主な東映出演作】

◇動乱(1980年)

◇天国の駅(1984年)

◇夢千代日記(1985年)

◇玄海つれづれ節(1986年)

◇華の乱(1988年)

◇天国の大罪(1992年)

◇霧の子午線(1996年)

◇時雨の記(1998年)

◇長崎ぶらぶら節(2000年)

◇千年の恋 ひかる源氏物語(2001年)

◇北の零年(2005年)

◇まぼろしの邪馬台国(2008年)

◇北のカナリアたち(2012年)

◇ふしぎな岬の物語(2014年)

◇北の桜守(2018年)

◇いのちの停車場(2021年)