群馬県の歴史や文化をテーマにした県立女子大の第47回群馬学連続シンポジウムが12日、玉村町の同大講堂で開かれた。「学校様(さま)の時代―村や町の近世・近代」と題して、地域教育と教育文化財をテーマに議論。講演とパネルディスカッションを通して、参加者約150人と考えた。
江戸時代の伊勢崎藩は2万石の小藩だったが、1808(文化5)年からの64年間で、武士と庶民の学校「郷学」が25校も設立された。このうち同町の重要文化財となっている嚮義堂(きょうぎどう)(樋越)は、現在も地域の人々から尊敬と親しみを込めて「学校様」と呼ばれている。
1部では国立歴史民俗博物館の工藤航平准教授ら3人の専門家が、地域教育や教育文化財をテーマに講演。2部は同大群馬学センターの簗瀬大輔教授がコーディネーターとなり、3人とパネルディスカッションした。
簗瀬教授は「この時代の地域には多様な学習要求があり、それに応える能力や技術が潜在し、柔軟に対応する力があった。そして学校様として結実した」と総括。地域における郷学の存在は、同センターが果たすべき役割と多くの共通点があることを指摘した。