エクストリームスポーツを代表する伝説的なスカイダイバー、オーストリア出身のフェリックス・バウムガートナーが7月17日(木)、イタリアのアドリア海沿岸の町ポルト・サンタルピディオでパラグライダーの事故により命を落とした。

 バウムガートナーはグライダーのコントロールを失い、ホテルのプールに墜落したたことで命を落とした。この事故によりホテル従業員ひとりが負傷したことを、彼の長年のパートナーでありスポンサーでもあるレッドブルが、オーストリアの放送局ORFに対して認めた。

 バウムガートナーは2012年10月、宇宙の果てからのスカイダイビングで大記録を打ち立てて世界的な名声を得た。“レッドブル・ストラトス”と名付けられたこのプロジェクトでは、ガードナーがアメリカのニューメキシコ州から加圧カプセルに乗り込み、ヘリウム気球で高度3万8969mまで上昇。成層圏から音速を越える時速1358kmで地球に落下し、パラシュートを開いて無事に生還した。

 これでガードナーは有人気球による最高高度到達記録、スカイダイビングの最高高度記録、自由落下による最高落下速度記録を塗り替えた。約2500万ユーロ(約43億円)を費やしたとされるこのプロジェクトは、レッドブルに10億ユーロ(約1727億円)以上の広告収入をもたらしたと言われている。

 しかしこのプロジェクトの後、バウムガートナーが一時的にモータースポーツの世界にも飛び込んだということを知る人は少ない。